おねしょは起こしちゃダメ!?夜尿と身長の伸び、意外な関係とは?

幼児期の子供が、夜中におねしょをしてしまうのは当然のこと。

ですが、おねしょの一種である「夜尿症」になると、身長の伸びにも影響することが知られています。

ところで、夜尿症とは何でしょうか?おねしょとはどう違うのでしょうか?また、なぜ夜尿症になると、身長の伸びに影響するのでしょうか?

今回は、身長を伸ばすために知っておきたい「夜尿症と身長の関係」について、詳しく検証します。

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「おねしょ」と「夜尿症」の違いとは?

しばしば一緒のものとして扱われる「おねしょ」と「夜尿症」ですが、厳密には違います。まずは、その違いから見てみましょう。

「おねしょ」とは、幼児期の子供が、寝ている間におもらししてしまうこと。

睡眠中に作られるおしっこの量と、おしっこをためておく膀胱の大きさのバランスがとれていないために、夜間に尿があふれてしまう現象です。

夜間のおしっこの量を決めるのは、「抗利尿ホルモン」。

このホルモンは、脳下垂体から分泌され、おしっこの量を調節しています。日中と比べて、寝ている間にあまりトイレに行きたいと思わないのは、このホルモンのおかげ。

もし分泌量が少なければ、夜間に作られるおしっこの量が多くなり、あふれてしまうのです。

次第に抗利尿ホルモンがしっかり出るようになり、膀胱も発達して大きくなると、おねしょは自然と減るように。

5~6歳頃には、95%の子どもがおねしょを卒業すると言われています。

個人差があるため、残りの5%の子どもも、成長を待っていれば自然に卒業していくのだそう。

ただし中には、ホルモン分泌などの適切な治療や生活指導が必要な場合もあり、これを「夜尿症」と呼んでいます。

つまり、どちらも「夜中におもらしする」という点では同じ。ただし、

・おねしょ……膀胱が未発達のため起こる生理現象なので、特に心配なし。
・夜尿症………ホルモン分泌不全などの原因があり、治療や生活指導が必要。

これが、おねしょと夜尿症の違いというわけです。

大きく分けて3種類!「夜尿症」のパターン

夜尿症にはそれぞれタイプがあります。

国際的に統一された分類はまだありませんが、日本で一般的に用いられているものを紹介します。

多尿型

夜間につくられる尿の量が多いタイプ。抗利尿ホルモンの分泌不良か、習慣的に水分や塩分を摂りすぎているのが原因です。比較的、治療しやすいタイプと言われています。

膀胱型

膀胱の機能が未発達で、膀胱が小さいタイプ。寝る前に排尿しても全部出せず、尿が残るために、夜中におねしょしてしまいます。

混合型

多尿型・膀胱型が合わさった状態で、より重い症状といえます。

 
いずれのタイプにせよ、気を付けたいことがあります。それは、夜尿症の場合、「身長が伸びにくくなる」という点です。

夜尿症の子供は、統計的にも小柄な子が多いことが分かっています。

というのも、夜間のおしっこの量を決める「抗利尿ホルモン」と、成長を促して身長を伸ばす「成長ホルモン」は、どちらも脳下垂体から分泌されるため。

脳下垂体に問題がある場合は、夜尿症と低身長が同時に見られることもあるのです。

また、背を伸ばすことにつながる成長ホルモンは、夜ぐっすり眠っているときに分泌されます。

夜尿症の場合はおしっこすることで目を覚ましてしまうので、成長ホルモンの分泌量にも影響を及ぼす恐れがあるのです。

気になるときは、病院へ!適切な治療や生活指導が大切です

では、「もしかして夜尿症かも?」「そろそろ、おねしょを卒業してもいい年齢なのに……」と言う場合、どこで診てもらえばいいのでしょうか?

中には「おねしょ外来」を設けている病院もありますが、まず、ご自宅の近くの小児科や内科などのかかりつけの医師に相談し、診察を受けるか、あるいは専門医を紹介してもらいましょう。

その際に、紹介状を書いてもらうと、初めての受診もスムーズに行えます。

問診や夜間の尿量チェックを行って、必要と判断されると、治療が始まります。

夜尿症は生活指導に加えて、必要に応じて薬物療法やアラーム療法も活用します。それぞれの内容を見てみましょう。

薬物療法

問診や尿検査などから、子供の夜尿のタイプに適した薬を選んで投与します。

抗利尿ホルモン薬(夜間の尿量を濃くして少なくする薬)や、抗コリン薬(膀胱機能を安定させ、膀胱に尿を多くためられるようにする薬)、抗うつ薬(弱いながら抗利尿ホルモンの分泌を促し、抗コリン作用も持つ薬)などを使って治療します。

アラーム療法

寝る前に、おねしょするとアラームが鳴る専用パットをつけて寝ます。

おねしょするとアラームが鳴るので、すぐに起こします。そのときトイレに行っても行かなくても、どちらでもOK。

就寝時排尿が始まったときに起こされると排尿が急に止まるので、これを繰り返すことで膀胱容量が増え、夜尿症が治るという仕組みです。

必ず親が起こさなくてはならないので、寝不足になってしまう可能性があること、保険適応ではないので専用アラーム、パットを自費で購入する必要がありますが、まったく薬を使わないので、副作用の心配がありません。

身長を伸ばすためにも、なるべく起こさないことが大事!

夜尿症を治すために必要なポイントとして、「なるべく夜中に起こさない」という点が挙げられます。

親としては、「そろそろ、おねしょする時間かも……」と子供の様子が気になるもの。夜中に一度起こして、トイレに連れて行きたくなるのも当然かもしれません。

たしかに、膀胱にたまっている尿を一度出しておけば、膀胱はすっきりします。夜中におもらしする可能性は減るかもしれませんね。

でも、身長のことを考えるとあまり得策とはいえません。深い眠りを妨げることで、成長ホルモンの分泌が減ってしまうからです。

夜尿症は、「焦らず根気よく」「親子二人三脚で」治療することが大切と言われています。長い目で見てあげましょう。

また、身長を伸ばす上では「栄養バランスの摂れた食事」が基本になります。夜尿症で十分に背が伸びないなら、栄養を補うことのできる「総合栄養タイプ」のサプリメントがオススメです。

食生活で、もう一点注意するべきは、「味付け」です。塩分を多く摂るとのどが渇き、つい水分を飲みたくなります。

水分を飲めば当然、夜中に作られる尿量が増え、おねしょの可能性が高くなってしまいます。

夕飯の味付けが濃くならないように気を付けたり、スナック菓子のような塩辛いものを食べたりしないように、気をつけてあげましょう。

身長をぐんぐん伸ばせるよう、親子の二人三脚で夜尿症を克服してくださいね。

こんな時どうすれば?夜尿症対応Q&A

毎晩、大量のおねしょをします。全く気づかずに寝ていますが大丈夫ですか?

夜尿症の子は起きない子も多いです。眠りが非常に深いからです。そのまま起こさずに見守ってあげてください。

尿意を感じて起きてしまう子や、濡れてしまって気持ち悪くなって起きてしまう子もいますが、現場の医師は、発育が悪いと感じてしまうことが多いようです。

繰り返しになりますが、身長を伸ばすための成長ホルモンは睡眠時に多く分泌します。途中で起きてしまうことはその分泌を邪魔していることになります。

起きない方が健康的といえるのです。

高校生になってもおねしょが治らないですが、異常なのでしょうか?

中学生や高校生になっても、夜尿症が続いている場合、成人型夜尿症に移行する割合が高くなります。

学校や部活、塾や習い事など、忙しくなって、夜尿症治療の基本となる生活改善が難しくなり、治療の機会が少なくなってしまうからです。

また、長期にわたる夜尿が習慣化し、本人も治療する意思が減退してしまいます。

尿意を感じて目が覚めてもトイレに行くのが面倒だったり、病院に行くのを面倒くさがったりです。

ただ、年齢が上がってくると小さいころと違い、夜尿の前に尿意を感じている子も多くなります。膀胱など器官に問題がないことが多く、本人にやる気があれば、比較的早く治る傾向にあります。

紙おむつをしていると、夜尿が治らないといわれますが、後片付けのことを考えると、なかなかやめられません・・・

紙おむつをしていると、なかなか濡れた感覚が分からないので治るのが遅くなります。

また、布団を汚してしまうこともなく、親が困ることもないので本気で治そうという意思も薄れていきます。

しかし、治りにくいからといって、いきなり紙おむつをやめてしまうと、家族(お母さん)の負担が大きくなります。

専門のクリニックで勧められているのは、まずは週1回だけ紙おむつをやめる日をつくることです。

その日は、特に水分制限を厳しくするなどして、少しずつ克服を目指します。

夜尿があるのですが、修学旅行が迫っています。行かせるべきか、行かせないべきか悩んでいます。

夜尿のある子どもの70%が修学旅行や宿泊授業の参加で悩み、20%の子どもが断念しているそうです。

本人は参加するつもりでも、今後の学校生活を考えて親が参加させないケースも実際にあります。

水分コントロールを厳格にすることや、服装が自由であれば黒っぽいズボンにする、パンツの中にタオルを入れるなど自分だけでできる対策もありますが、

可能であれば、事前に先生に相談し、夜一度起こしてもらいトイレに行ったり、体調が悪いということで先生の部屋で寝かしてもらったり、協力してもらうのが良いでしょう。

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