中高生が身長を伸ばすなら飲料タイプのサプリメントを選ぶべきではない理由

ここ数年、すごい数の身長サプリメントが発売されています。

インターネットで検索すると幼児でも食べられるようなものから、スポーツをする中高生に向けたものまで多種多様な製品が表示されますね。現在、人気があるのは飲料(ドリンク)タイプ。牛乳や水に溶かして飲むタイプの製品です。

ただ、お子さんが中学生・高校生で本気で身長を伸ばしたいなら、このタイプは選ぶべきではありません。たとえ、商品説明に「中高生向け」と書いてあったとしてもです。

今回は、その理由についてお話します。

飲料タイプの身長(成長期向け)サプリメントが多いのはなぜ?

今、成長期向けサプリメントの市場を見ると、飲料タイプが目立ちます。

今回はおすすめしないという記事内容なので、具体的な製品名は伏せておきますが、身長サプリメントを人気順に10個並べたとすれば、半分以上は飲料タイプでしょう。

なぜ、おすすめできない製品が市場にたくさん出回っているのでしょう?

主な理由は2つです。

理由1:かんたんな市場の原理原則が働いているため

原理原則というと何やら難しそうに聞こえますが、いたって単純。

ヒット商品が出れば必ずマネされるということです。

市場のトップランナーは常に追従されるのです。ヒットした商品の類似商品が2番手・3番手としてどんどん市場にあふれていくのです。

たとえば、アップル社のiPhone。

スマートフォンという概念で携帯電話市場を切り開き、瞬く間にトップランナーとなりました。そして、各電話メーカーはこぞってスマートフォンを発売。たった数年で携帯電話売り場の大部分をスマホが占めることになってしまいます。

企業は売れるもの、売れるであろうものを作る宿命にあるので、この原理原則が働くのです。

さて、話をサプリメントに戻してみましょう。

市場を切り開いたのは、もちろんロート製薬のセノビックです。大々的にTVCMを流し「成長期応援飲料」という概念を作り出しました。

子供の身長を伸ばすサプリは売れる!と踏んだ各メーカーは一斉にセノビックと同じようなサプリメントを作り出します。

あとは、スマートフォンと同じで、消費者からみればどう違うかさえ分からないサプリメントがどんどん増えてくるというわけです。

理由2:飲料タイプの粉末サプリメントは製造が容易だから

「サプリメントを作ろう!」と思い立っても、企画、材料選定、各種テストなどなど、製造するとなると気の遠くなるような道のりが想像できますよね。

でも、それは大きな誤解です。製造するのは実は簡単。誰でも電話1本でできてしまいます。世の中にはオリジナルサプリメントの請負(OEM)業者があるからです。

そして、OEMで作りやすいのが、製造の難易度が比較的低い粉末のサプリメントです。OEM業者の持っている工場で作ってしまえますし、日本中にたくさんある食品工場でも簡単につくれます。

医薬品工場で錠剤をつくるより、断然敷居が低いのです。加えて、既存の製造ラインを流用するのでコスト的なメリットが大きいこともあります。

今、販売中の飲料タイプのサプリメントのほとんどが、会社の背景から見てOEMであることは間違いありません。製造の手間とコストを優先して粉末タイプを選択したというのは勘繰りすぎとは言えないでしょう。

まとめると、飲料タイプがたくさん出回っているのは、決してサプリメントとして優れているからではないということです。

飲料タイプのサプリメントの根本的な問題点とは?

まず、飲料タイプのサプリメントのメリットを見てみましょう。

やはり、一番のメリットは美味しいこと。

飲みやすい味つけなので、小さな子供でも続けやすいでしょう。でも、これは「本気で」身長を伸ばしたい中高生にとってはデメリットでしかありません。

1回数グラムという限られた量の中に味や飲みやすさのための材料を入れなければいけません

それも、驚くほど大量に。

飲料タイプのサプリメントの原材料欄を見てみてください。(ネットでも「製品名+原材料表」で検索すればパッケージの写真が出てきます)

砂糖・グラニュー糖・還元水あめ・デキストリン・エリスリトールなどの文字があるはずです。これらは甘味料や飲みやすくするための食品添加物です。

そして、これらの材料はきっと原材料欄の先頭近くにあるはずです。

実は、製品中に含まれる割合が多いほど、その材料名を先に表記しなければならないというルールがあるのです。

材料の大半が甘味料や添加物であることを示す証拠です。当然、相対的に有効な栄養素の量は少なくなってしまいます。

これが、飲料タイプの根本的な問題点です。製品の特性上、解決できません。

ロート製薬のセノビックのように、はじめから小さな子供を対象にしている場合なら、それでも良いでしょう。

野菜を一切食べない子供に幾分かのビタミンを補給できたり、牛乳そのままでは飲めない子供に飲むきっかけを作ってあげられたり、一定の役割は果たせると思います。

ただ、あと数年と身長のタイムリミットが迫っている中学生・高校生がサプリメントを飲む目的は、栄養補給ただひとつ。

やはり、おすすめはできません。

ベストなのは錠剤タイプ。でも注意が必要です!

錠剤タイプなら、基本的に薬と同じく水でぐっと飲むだけ。

美味しくする必要がないので栄養素の割合を多くできます。素材を選べば最低限のコーティングだけで、あとは全部栄養素にすることも可能なのです。

ただし、あくまで「理論上・製法上はできる」ということで、すべての錠剤タイプの身長サプリメントが栄養素が粉末タイプに比べて多いというわけではありませんのでご注意を。

たとえば、α-GPCやアルギニン・ボーンペップなど身長に良いとされる材料を使った錠剤タイプのサプリメントをみてみましょう。

ホームページを見る限りかなり素材にこだわった印象の製品ですが、例によって製品ラベルの原材料欄を見ると、先頭表記はデキストリン。続いて還元麦芽糖水飴・・・

どちらも、錠剤の体積を増すための賦形剤(ふけいざい)として使われているものです。もちろんこだわりぬいた栄養素などではありません。

気をつけましょう。

ちなみに、薬の場合だとこういう作り方(ほとんど賦形剤)をすることがあります。

たとえば、頭痛薬を作る際、必要な鎮痛成分が30mgだとします。この鎮痛成分だけで30mgの錠剤を作ると、小さすぎて飲みにくいので賦形剤でかさ増しします。

一般的に流通している錠剤の大きさが300mg。このサイズの錠剤にすると、賦形剤の量は270mg。90%以上となりますね。

実際には1回2錠のように複数個を飲むよう作られますので、賦形剤の割合はもっと高くなります。(鎮痛成分15mg+賦形剤285mg)

ただ、これはあくまで薬の場合。

サプリメントの栄養素を少なくして、かさ増しする理由がどこにあるのでしょうか?

先ほども言いましたが、中高生が身長を伸ばすためにサプリメントを飲む理由はただひとつ、栄養補給のためだけです。

身長サプリメントを選ぶ際には、こうした細かい点もしっかり見て選ばないと思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあります。

良し悪しを見るためのポイントはこちらの記事にまとめています。検討中の中高生の親御さんはぜひ一度、目を通しておいてください。

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