ビタミンD配合の身長サプリメントの方が骨にいい?

身長サプリメントの中にはビタミンDを含んでいる製品が多くあります。

やはり、成長期の体づくりに欠かせないビタミンだからでしょうか?

一方、成長期に必要な栄養素を総合的に配合というようなサプリメントでも、ビタミンDを含んでいないケースもあります。

成長期に必要な栄養ではないということでしょうか?

今回は、何となく骨に良いのは知っているけれど、詳しくは知らない栄養素ビタミンDについて掘り下げてみたいと思います。

身長を伸ばすうえでビタミンDって必要なの?

ビタミンDの主な役割は、カルシウムの吸収を上げること。丈夫で強い骨を作るうえでは欠かせない栄養素です。

健全に身長を伸ばすうえでは、やはり必要です。

サプリ大国のアメリカで今もっとも研究されているのがこのビタミンDで、サプリメントの売り上げも絶対王者のビタミンCを抜いてトップだそうです。

近年の研究の成果で、カルシウムの吸収率アップ以外にも、さまざまな働きをすることが分かってきました。

たとえば、免疫力の向上。

ウイルス・病原菌と闘う免疫細胞を活性化してくれるので、病気にかかりにくくなることが期待できます。

また、筋肉をつくることにも役立ちます。さらに筋肉内で発生する炎症も抑えるので、運動時の疲労回復も早くなります。スポーツをしている子供にとってはうれしい効果ですね。

さらには、メンタル・心理面の健康維持にも関係しているといわれています。

他にも、重金属排毒(デトックス)効果<や抗アレルギー効果、脂肪燃焼効果などがあるとみられています。 どれも直接的に骨を伸ばすような、わかりやすい働きではありませんが、心身ともに強い体づくりをすることで、身長アップの基礎をつくってくれる大切な栄養素です。

日光に当たれば体内で作れるって本当?

人間は、ほとんどのビタミンを体内で合成できないため、食物から摂る必要がありますが、ビタミンDは例外で、数少ない体内で作り出せるビタミンです。

作られるのは皮膚です。皮膚にあるコレステロールの一種(プロビタミンD3)が日光を受けることでビタミンDに変形します。概ねビタミンDの半分程度は、この皮膚での合成で作られています。

日光、とりわけ紫外線が重要なので、UV対策をすると生産量はどうしても少なくなってしまいます

最近は子供でも日焼け止めクリームを塗るケースも多いかと思いますが、ビタミンDをつくるという面ではマイナスになりますので、過度のUV対策はNGです。

では、きちんとビタミンDをつくるためにはどのくらい日光にあたる必要があるのでしょうか?

国立環境研究所が、必要な日照時間を調査した結果が次の表です。

▼10μgのビタミンDを生成するのに必要な時間▼

季節 7月(夏季) 12月(冬季)
都市/時間 9時 12時 15時 9時 12時 15時
札幌 14分 8分 24分 904分 139分 4985分
つくば 11分 6分 18分 193分 41分 493分
那覇 16分 5分 10分 142分 14分 31分

参考:国立環境研究所

夏はどの地域もそれほど差はありませんが、冬は地域で全然違います。北海道(札幌)では12時以外は現実的に無理がある時間数となってしまっています。これは日光によるビタミンDの生成はあまり期待できないということです。

日本は南北に長いので、地域によってこのような大きな差が発生します。日照の弱い地域の子供は、なるべく食べ物からの摂取を多くするよう心がけてください。

日本人はビタミンDが不足している?していない?

数々の研究機関・大学から「日本人は慢性的にビタミンDが不足している」という報告が上がっています。

一方、日本人の生活習慣や食事状況の統計データである厚生労働省の平成28年度 国民健康・栄養調査では男女とも「目安量を大きく上回るビタミンDの摂取状況」となっています。

さて、どういうことでしょう?どちらかに誤りやウソがあるということでしょうか?

実は、どちらも正しいといえます。

紐解くカギは「世代」と「性別」です。

まず、「世代」をみてみましょう。

実は、食物からのビタミンDの摂取量は世代によってかなりの差が出ています。

20~40代の若い世代では少なく、50代以上の世代ではかなり多いといった具合です。これを全世代で平均すると、日本人のビタミンDの摂取状況は目安量を上回るというわけです。

そして、日本人の主なビタミンDの供給源は魚介類です。つまり、魚介類を食べる量がビタミンDの摂取量を左右します。

だから、魚を好む人が多い50代以上と、好む人の少ない40代以下で格差が発生してしまうのです。

次に、「性別」をみてみましょう。

ビタミンD不足が危惧されているのは主に女性です。その理由はシンプル。男性に比べて日光を避ける傾向にあるからです。

かつては、日光の弱い北欧や、イスラム圏のような肌を隠す習慣のある地域以外では、ビタミンDが欠乏することは、あまりないと考えられていました。

ただ、近年、紫外線の害が注目されるようになったり、白い肌の方が美人という風潮で、女性の紫外線対策が念入りになりました。

そのため、女性、特に若年女性において、ビタミンD不足がみられるようになったのです。

同じく日常生活で日光を避ける乳幼児、妊婦、寝たきりの高齢者もビタミンD不足が指摘されています。

成長期の子供なら、通学や学校の体育の授業、部活など、外で過ごす時間が比較的多いことや、給食などで栄養のバランスが考えられた魚介類を含む食事を摂るので、ビタミンD不足については、普通は心配ありません

身長サプリメントにビタミンDを配合する理由は?

ビタミンDは、健全な成長には必要です。

でも、成長期の小中高生においては不足の心配があまりない栄養素です。なのに、なぜ多くの身長サプリメントに含まれるのでしょうか?

考えられる理由は2つです。

1.効果が分かりやすい

ビタミンDの「カルシウムの吸収をアップする」という効果は非常にわかりやすくキャッチーです。

身長を伸ばす栄養素はカルシウムだと(実際は違いますが)多くの人がそう思っていますから、メーカーとしても宣伝しやすいのです。

2.配合量を多く見せやすい

ビタミンDの摂取基準の子供の目安量を見ると、3.5μg~5.5μgです。単位のμgはマイクログラムと読み、100万分の1gのことです。

つまり、1日に必要な量というのはごくわずか。となれば、表示上多く配合しているように見せやすいのです。

たとえば、「1日の必要量の114%」とか「ししゃも30匹分」とかです。あたかもたくさん入っているようですが、0.000005g程度とごく微量です。

どちらもユーザー本位というより、宣伝のためのメーカー本位の理由です。

ビタミンDを配合すること自体が悪いとは言いませんが、サプリメントを選ぶ際はきちんと中身をみて判断してくださいね

サプリメントの中身・品質の見方のポイントをこちらの記事にまとめています。是非お読みください。

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