子供の身長を伸ばすならどこの医療機関に行くべき?【病院・クリニック】

「うちの子は生まれたときからずっと小さい」
「このところ、急に背の伸びが悪くなった」
「お友達ばかり、どんどん大きくなっている」
「学校の保健室で、低身長かもしれないと指摘された」

こんな風に子供の身長で悩んでいれば、病院に行くべきでしょうか?また、病院に行って身長を伸ばすことなんてできるのでしょうか?

今日は、身長の悩みと医療機関の関わり方についてお話します。

身長が伸びなさすぎる!もしかして病気かも!?と思ったら

身長が伸びない原因は多種多様。もちろん遺伝の影響もあれば、実は栄養摂取の状況が良くなかったということもあります。出生時の大きさまで関係すると言われています。

「もしかして!?」と思ったら、なるべく早く医療機関で受診する方が良いでしょう。何かしらの病気による低身長の場合、治療開始が早ければ早いほど効果が高いからです。

「小さい以外は健康体そのもの。もし病気じゃなかったらと思うと・・・」と躊躇するのもわかります。

でも実は、診断の結果「病気による低身長ではない」ケースは多いのです。たとえ親の勘違いであってもそれは普通のこと。病院に迷惑がかかることでも、恥ずかしいことでもありません。

万一の疑いを解消しておく方が重要です。

受診すべき目安は(学校の規模にもよりますが)学年で1番~2番目に小さいくらいです。このくらい成長が遅いと医学的な低身長の疑いが出てきます。該当する場合は、まず検査を受けてみてください。

さて、いざ受診するとなれば、どこの病院に行けばいいのでしょう?

身長を伸ばす専門家なんて一部の大学病院にしかいないのでは?というのが一般的なイメージだと思います。

でも、「病院ナビ」で調べると日本全国に678件の低身長の治療が可能な病院やクリニックがヒットします。

東京都78件、大阪府65件とやはり大都市圏に多いのですが、全ての都道府県にあるのでどこか通えるところは見つかると思います。

本当に病院に行けば身長は伸ばせるの?

条件付きですが、伸ばすことは可能です。

その条件とは、「何らかの病気で成長ホルモンの分泌が悪い」ことです。

この場合、体が正常に成長ホルモンを作り出せないので、外から投薬する治療を行います。いわゆる成長ホルモン療法です。

100%の効果を発揮するわけではありませんが、適性があると目に見えて身長の伸びが変わります。

たとえば、治療前に年間4cmくらいの伸びの子なら、6~8cmくらいになります。実に1.5倍~2倍の伸び率です。

それでも、標準的な身長になるには何年もかかります。周りの子に追いつくためにも、治療開始のタイミングは早いに越したことはありません。

また、成長ホルモンは口から飲んでも胃で分解されるため効果がありません。投薬方法は注射です。

糖尿病薬のインスリンと同じように自宅で自分(またはお母さん)が注射をします。細い針で皮膚の浅いところに打つので、痛みや注射痕の心配はほとんどいりません。注射だからと怖がらなくても大丈夫です。

ちなみに、身長サプリメントの中には成長ホルモン配合と謳っている製品もありますが、間違いなく粗悪品です。

「口からの摂取では意味がない…」だから小さな子どもが毎日注射をしなくてはならないのですから。

成長ホルモン配合とアピールしているサプリメントは絶対に買わないようにしてください。

さて、話を病院での診断に戻します。

成長ホルモン療法の治療の対象となるのは、ごくごくわずか。何と500人に1人くらいの割合です。

逆にいうと、背が低いほとんどの子供においても、成長ホルモンは正常に(近い状態で)分泌しているのです。

身長が伸びない原因は他にあるということですね。

もし病気でなければ、病院では何もしてくれないの?

先ほどもお話したとおり、ほとんどの場合、低身長の治療の対象とはなりません。

では、身長はすごく低いのに検査の結果、治療の対象とならなかった場合はどうなるのでしょうか?

病院やクリニックの方針や、子供の状況により変わってきますが、自費治療という可能性・選択肢が残っています。

たとえば、中学生くらいで身長が低い場合、成長の進行度をみて、性腺抑制療法(大人になる速度を遅くする治療)と成長ホルモン療法を合わせる治療を提案されることがあります。

医師の目から見て有効だという算段があるからですが、先の検査で成長ホルモン療法の治療対象外となっているので保険適用はありません。

完全に自費となり、毎月20万円以上の費用を見込まなければなりません。(期間も数年単位というのが一般的です)

そのお金が捻出できなければ、残念ながら医療機関で身長を伸ばすというのは断念しなくてはならないのが現実です。

となると、身長のことで病院にかかることは最初から無意味と考える人もいると思います。でも、検査で「現状を知ることができる」という、得難いメリットがあることを忘れてはいけません。

治療の対象とならなくとも、そのことで成長ホルモンの分泌は正常であることが分かります。

そして、栄養状態の問題や、思春期到来のタイミングが早いといった、診療の過程で発覚した別の身長が伸びない理由があれば、医師は教えてくれます。

現状がわかれば取るべき対策もはっきりし、病院外でできることも増えてきます。

伸びない原因が病気でないのなら、日常生活の改善で伸びる可能性は広がります。

低身長ではない場合の身長の悩みと医療機関の関わり方

最後に、低身長というわけではないけど、身長が伸び悩んでいる場合の医療機関との関わり方についてお話します。

この場合、治療という選択肢はないので、検査をしてもらうこととなります。

もちろん、低身長の疑いのある子と同じように「低身長外来」であらゆる検査を受けることもできます。

ただ、「まだ身長が伸びるのか?」「あとどのくらいの期間伸びるのか?」ということを知りたいだけでしたら、お近くの小児科や整形外科で大丈夫です。手の甲のレントゲン写真を撮れば分かりますので。

ただし、この場合の多くは健康保険は適用されず自費診療になります。費用はまちまちですが、5,000円未満が一般的だと思います。事前にこうした目的でレントゲン撮影してほしいと病院に連絡しておく方が良いでしょう。

ちなみに、背が伸びるかどうかは、骨の伸びしろである骨端線の有無で判断します。骨端線は、大人になるとなくなる軟骨組織のこと。検査で骨に骨端線があれば、まだ身長が伸びる可能性が残っているということを意味します。

検査時に身長に直結するひざの写真を撮るのではなく、手の写真で判断するのにも理由があります。

手には骨がたくさん密集していて、体全体の骨の成熟度(骨年齢)を判断するのに適しているからです。その骨年齢で、統計的にあと何年(または何か月)くらい身長が伸びるかを予測できます。

ただ、この検査は子供の体に(X線の)負担や、もし「もう伸びない」と確定した時の心理的負担をかけるわけですから、しっかり親子で話し合って受けるかどうか決めるべきでしょう。

その他、成長期の食事や栄養面でのサポートとして、いわゆる身長サプリメントを活用するのもひとつの方法です。選ぶうえでのチェックポイントをこちらにまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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