1日たった○○分!日光浴で子供の身体作りに必要なビタミンDを確保

近年、子供たちは携帯電話やゲームをする機会が多く、学校以外の時間を室内で過ごすことが増えています。

しかも「日光に当たりすぎると“皮膚がん”になる」と言われるようになり、子供の外遊びを敬遠するお母さんも増加。昔と比べて、屋外で遊ぶ子供の姿を見かけなくなりました。

ところが、ある程度は日光を浴びなければ、ビタミンDが不足。子供の成長に影響することが分かっています。

身長を伸ばすために、本当に日光浴が役立つのでしょうか?日光浴と子供の身長の関係について調べました。

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「紫外線=悪」のイメージが定着!教育現場でも変化が……

昔は、「日光に当たると健康にいい」と、陽の光をしっかり浴びることが推奨されていました。肌が小麦色に焼けた子供の姿は、まさに “健康”のイメージそのものでしたよね。

学校から帰った子供たちが、真夏でも元気に外で遊ぶ姿が、そこかしこで見られました。

ところが、紫外線の有害性が叫ばれるようになってから、事情は一変。なるべく日光に当たらないことが大切とされるように。

ドラッグストアやスーパーマーケットなどで、日焼け止めをたくさん見かけるようになりました。

学校でかぶる赤白帽も、以前のものとは変わってきています。後頭部から首にかけてカバーする布(フラップ)がついたタイプの帽子を、導入する学校が増加。

近年特に増えている熱中症対策の一環でもありますが、昔と比べて「日光自体が避けられている」現状には間違いありませんね。

子供の成長、身長を伸ばすのに、本当に日光浴は必要ない?

本当に日光は「悪者」なのでしょうか?日光を浴びることは、避けるべきなのでしょうか?

たしかに、過度の紫外線が皮膚がんにつながることは事実。

WHO(世界保健機構)も、「子供時代は細胞分裂が激しい時期である」という理由を挙げた上で、「18歳未満の日焼けは、後年の皮膚がんや眼のダメージ(特に白内障)発症のリスクを高める」と指摘。子供の紫外線対策を訴えています。

皮膚がんの発生が多いオーストラリアの学校では、フラップ付きの帽子を使うよう指導。「ノーハット・ノープレイ(No Hat No Play)」を徹底して、帽子をかぶっていない子供が校庭で遊ぶことを禁じている学校も多いそうです。

健康のためには、日光を浴びすぎないことは常識になってきているのです。とはいえ、適度の日光まで恐れる必要はありません

「適度の」というのは、「日焼けするより少ない量」のこと。むしろ身長を伸ばすためには「適度な日光を浴びることが」が必要です。

なぜなら、日光を浴びなければ「ビタミンD」が十分につくられないため。ビタミンDが十分にないと、カルシウムが体内に吸収されません。

身長が伸びるには、まずは骨が伸びた上で、骨が丈夫になることが必要です。カルシウムは吸収率が低いため、“カルシウムの運び屋”として活躍するビタミンDが不可欠なのです。

ビタミンDは、乳製品・大豆製品・小魚類などの食べ物を通じて、摂取することもできますが、半分くらいは皮膚を通した紫外線の吸収を通じて行われます。

決して「カルシウムの吸収率を上げること=身長を伸ばす方法」ではありませんが、カルシウムは身長を伸ばす上で欠かせない栄養素。

やっぱり、子供に太陽の光は必要です。

ビタミンDを作るにはどのくらい日光に当たればいいの?

少なくとも週に2回、5分~30分の間、日光を浴びれば良いようです。

ビタミンDの生成には紫外線が必要なので、日焼け止めはNGです。窓際の日光でも十分に合成できませんので、必ず屋外でというのが前提となります。

季節や地域によって、紫外線の強さは変わりますので、厳密にいうともう少し細かくなります。

国立環境研究所と東京家政大学の研究チームが算出した1日分(5.5μg)のビタミンDを得るのに必要な時間は、真夏で札幌4.6分・つくば3.5分・那覇2.9分。それほど大きな差は出ていませんが、真冬だと札幌76.4分・つくば22.4分・那覇7.5分とかなりの差が大きくなります。

冬の北海道だと紫外線の量が少なく、かなり長い間外に出ないと十分なビタミンDが作れません。さらに冬の北海道は曇りの日も多いので、実質的にはもっと長い時間太陽の下にいる必要が出てきます。

ちなみに、算出条件のひとつに両手(手首から先)と顔が露出しているというものがありますので、(寒すぎて現実的ではありませんが…)腕や脚など日光に当たる部位を増やせば、外で過ごす時間を短縮できます。

身長を伸ばしたい成長期の子供の場合、通学や体育の授業で何時間も日光に当たっているので、通常は必要十分です。

ビタミンD不足を気にしてサプリメントでわざわざ補給する必要はありません。

背を伸ばすために特に浴びたいのが、朝の日光!

日光浴が身長の伸びにプラスなのは、「ビタミンDがつくられる」という点だけではありません。

ぜひ注目したいのが、睡眠の質を高めることができるという点です。

身長を伸ばす上で、「睡眠の質を高める=成長ホルモンの分泌を促す」こと。成長ホルモンは、眠ってから3時間のうちにしっかり出ることが、最新の研究で分かっています。

身長を伸ばすためには、「眠ってから3時間」が勝負。この間に熟睡することが必要なのです。

そのために役立つのが、朝の日光!なぜ重要なのか、2つの理由を紹介しましょう。

理由1:25時間の体内時計を、24時間にリセットする!

私たち人間は、体内に時計を持っています。「体内時計」(生物時計)という言葉を、聞いたことがある方も多いことでしょう。

この体内時計、実は「1日に25時間」のサイクルで回ろうとします。ところが、現実の生活は24時間サイクル。体内のリズムと現実の生活を合わせるには、毎日、体内時計をリセットする必要があります。

そのリセットのためにもっとも大事な存在が、朝の日光なんです。

なぜなら、体内時計の働きのカギを握るのは、人間の目の奥に位置する「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という場所だから。

朝の日光を感知することで、視交叉上核に刺激が届き、体内時計を太陽の時間に合わせようとします。その結果、体内時計がリセットされ、24時間サイクルに修正されるというわけです。

朝起きて、昼には勉強や運動をして、就寝時間には自然と眠くなる……。

こんな生活を送るためには、朝の10分ぐらいを目安に、太陽の光を浴びるよう心がけましょう。

理由2:睡眠ホルモン・メラトニンの分泌を促す!

自然な眠気を催すのに欠かせないのが、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニン。

このメラトニンがつくられるためにも、朝の太陽光を浴びることが必要なのです。

先ほどの体内時計のリセットと同じく、朝の光を感知することがメラトニン産生のきっかけとなるからです。メラトニン産生と分泌が始まるのは、朝、初めて光を見てからおよそ15時間経った頃。

たとえば、朝6時に起きるとしましょう。すぐ朝の日光を浴びると、メラトニン産生と分泌がスタートするのは、夜9時ごろ。10時ごろに自然と眠ることができれば、8時間ぐっすりと眠ることができますね。

ちなみに、「光を浴びるなら、部屋の照明じゃダメなの?」と思うかもしれませんね。メラトニンをつくるには、室内の明るさでは不十分。

しっかりメラトニンをつくり、ぐっすり眠るためにも、子供は朝の光を浴びることが大切です。

日光に当たれない子は、どうすればいいの?

子供の健全な成長のためにはビタミンDは必要な栄養素で、その産生には日光に当たることが大切なことはお話しました。

では、病気やアレルギーで日光を避けなければならない子や、地理的に日差しの弱い地域に住んでいる子は、どうすればよいのでしょう?

やはり、食事からビタミンDをとる必要があります。

基本的に食物から摂るビタミンDも、皮膚で作られるビタミンDも、働きそのものに違いはありません。

でも実は、ビタミンDを豊富に含む食品というのはあまり多くはありません。

ただし、魚類だけは例外。ウナギ・サケ・ニシン・マグロ・サバなど全般的にビタミンDが多いのです。なので、魚食中心だった昔の日本人はビタミンD不足になることはありませんでした。

魚の他には、マイタケやキクラゲといったキノコ類には比較的多めに含まれています。

なので、日光浴の不足が気になる人は、魚を主菜とした昔ながらの日本食がおススメです。和食の献立、一汁三菜は栄養バランス的にも優れていますし、身長を伸ばすのにも有利です。

ちなみに、日本ほど魚介類を食べないアメリカでは、ビタミンDが牛乳やシリアルなど様々な食品に添加され、強化食品として食べられています。

ビタミン強化食品というと何となくアメリカっぽい感じがして、なじみがないような気もしますが、日本でも、キノコやたまごにビタミンDを強化した食品がスーパーで普通に並んでいます。

魚が苦手なら利用するのも、ひとつの手です。

日光も無理・食べ物も無理なら、サプリメントの利用も選択肢に入ってきます。

ビタミンDにもいくつか種類があり、サプリメントだとビタミンD3ビタミンD2に分かれます。魚介類などに含まれる動物性のビタミンがD3、きのこなどの植物性のビタミンがD2です。

人間の体内では効果に差がないという意見と、D3の方が効果があるという意見もありますが、真相はわかりません。ただ市販されているのサプリメントはD3の方が多いです。

サプリメントを利用する際は過剰摂取に注意してください。

日光に当たりすぎても身体がつくるビタミンDの量を調整するので大丈夫ですが、サプリからだと摂取しすぎになる可能性が出てきます。

脂溶性で使われなかった分はしばらく身体の中にとどまるタイプのビタミンなので、他のビタミンより過剰症に気を付けなくてはなりません。

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